TEST10 (2012/05/10) 監督:Eric Wostenberg 出演:Travis Van Winkle, Tricia Helfer, Mircea MonroeBurkholder 時間:99分 ★★★☆☆ Amazonで詳細を見る |
あらすじ
1日225ドルという高額の報酬に惹かれた大学生のグレッグとロブは2週間のアレルギー薬の治験に参加する。
治験の場は人里離れた山奥の研究所。この治験には男性7人女性3人が参加していた。ロブは研究所の雰囲気に慣れないようだったが、グレッグは治験参加者の若い女性2人・ステイシーとリネアの存在にテンションが上がっていた。
投薬1日目の朝食の場、リネアが看護師のなるための勉強をしているのを知ったグレッグは、ロブにそれを教えてやるように仕向ける。リネアはロブが気になっていたようで、2人は後に一緒に勉強する約束をし、関係性を縮めていく。
一方治験が進行するにつれ、食事にミミズが混入する、動物の死骸が共有スペースに発見されるなど、治験参加者に嫌悪感を抱かせるような事態が次々と発生する。
しかしながら同時に、治験参加者達はそれらに対してだんだんと無反応になっていくのだった・・・。
治験の場は人里離れた山奥の研究所。この治験には男性7人女性3人が参加していた。ロブは研究所の雰囲気に慣れないようだったが、グレッグは治験参加者の若い女性2人・ステイシーとリネアの存在にテンションが上がっていた。
投薬1日目の朝食の場、リネアが看護師のなるための勉強をしているのを知ったグレッグは、ロブにそれを教えてやるように仕向ける。リネアはロブが気になっていたようで、2人は後に一緒に勉強する約束をし、関係性を縮めていく。
一方治験が進行するにつれ、食事にミミズが混入する、動物の死骸が共有スペースに発見されるなど、治験参加者に嫌悪感を抱かせるような事態が次々と発生する。
しかしながら同時に、治験参加者達はそれらに対してだんだんと無反応になっていくのだった・・・。
ネタバレ注意。
表向きはアレルギー薬の治験だが、実際は瞬時の再生能力を備わる新薬の実験というのが真実。しかしその薬には嫌悪感が無くなってしまうという副作用がある。嫌悪感は、腐敗物や排泄物や死骸に対するもの、人間が自然と忌避する近親相姦や食人などにわたり、人間の生存に決定的な役割を果たしていると説明される。
そして治験者たちはそれらを失い、非人間的行動を示し始める。
嫌悪感が失われていくのをモニターするというグロテスクな場面が多々あるので、観る人を選ぶ映画だが、和やかでコミカルな序盤からだんだんと緊迫していく感じは悪くなかった。
しかしその嫌悪感の喪失という現象が単純化され過ぎ、丁寧に描かれていないことに不満が残る。
嫌悪とは何か
嫌悪とは、汚い物や伝染性のある物等の生存を脅かす可能性がある物を見聞きしたときに生じる人の感情の一つである。
しかし嫌悪には、人間の他の感情、怒り・恐れ・幸福感・悲しみ・驚きとは著しく異なる特徴がある。それは嫌悪が唯一、心拍数の低下という生理学的現象を伴うことである。つまり嫌悪は、人に備わる生理学的機能であるということだ。
しかし嫌悪には、人間の他の感情、怒り・恐れ・幸福感・悲しみ・驚きとは著しく異なる特徴がある。それは嫌悪が唯一、心拍数の低下という生理学的現象を伴うことである。つまり嫌悪は、人に備わる生理学的機能であるということだ。
生理学的機能であるという観点から、嫌悪という感情は育ちに依らない生来のものであると考えられ、それは不正な取引を見聞きすることや犯罪経歴のある者へ生じる道徳的嫌悪感とは一見異なるように思える。
しかし実際は、このような道徳的嫌悪を感じた時も、同一の生理学的反応が起こることが分かっている。もちろん道徳的嫌悪感が生じるケースは現象が複雑過ぎ、生来の機能であるとの証拠もないため、育ちにより獲得する好き嫌いと生理学的嫌悪機能の相互作用である可能性が高い。
生理学的嫌悪と道徳的嫌悪の違いや区別の実際は未知の部分が多いが、嫌悪とは範囲が広く、人間にとって大きな影響のある感情であることは確かである。
スポンサーリンク