キューブ (1997/09/09) 監督:Vincenzo Natali 脚本:André Bijelic, Graeme Manson, Vincenzo Natali 出演:Nicole de Boer, Nicky Guadagni, David Hewlett 時間:90分 ★★★★★ Amazonで詳細を見る |
カナダ制作の『キューブ』は、不条理な環境に放り込まれた人間達が次々と殺されていくという、ソリッド・シチュエーションスリラーの元祖とも言うべき作品。
『キューブ』なくしては『SAW』もなかったと言えるほどの斬新なアイデアに溢れ、設定や、謎、人間ドラマさも高品質な完成された作品。
あらすじ
物語は、無機質な立方体状の部屋で目覚める男の描写で始まる。男は不思議そうな何も理解できていないかのような面持ちで立ち上がる。その立方体の部屋の上下左右前後の中央には船のハッチ状の扉があり、ハッチの向こうもまた立方体の部屋になっていた。
男はハッチをいくつか開けた後、一つのハッチを抜け、隣の部屋に移動する。男が部屋の中央に進んだその時、鋭い風切り音と同時に男の体が震える。ぼんやりとした表情を顔に張り付けたまま、男の体はバラバラになり、床に崩れ落ちていく。
そして、男を殺したもの、ピアノ線のような金属製の細い糸から成る格子が、何事もなかったように部屋の壁へと消える。
眠るワースの傍らの、部屋の下方のハッチからもう一人の男が部屋に入ってくる。その男はクエンティンと言う名の男だった。彼はワースの頬を叩き、目覚めさせると、周囲のハッチを調べ始める。
目覚めたワースは、クエンティンが調べるのを興味もなさそうに見やるだけだった。
その時、クエンティンがまだ調べていない部屋のハッチが開き始める。そこから顔を出したのは女性、クエンティンはとっさに女性の胸倉を掴み、部屋に引き入れ拳を構えた。
叫び怯える女性に、クエンティンは「間違えたんだ」と謝るが、「何と間違えた?」と叫ぶ彼女に、クエンティンは「わからない」と答えるしかなかった。彼女はハロウェイといった。
隣の部屋から悲鳴が聞こえる。クエンティンが部屋に向かうと、若い女性・レヴンが怯えた様子で腰を抜かしていた。クエンティンは彼女をなだめると、元の部屋に彼女を誘導した。
顔を合わせた4人でトラップの存在を知っているのはクエンティンだけだった。彼は首を切られそうになりながらも、トラップを逃れたと言った。
その時、上方のハッチが開き、年老いた男が顔を見せた。その男はレンと言った。
奇妙な人工的な構造物に集められた5人、5人はみんな気づかぬうちにそこへ連れてこられたようだった。眠っている間に、夕飯を食べていたら、とその時の記憶は曖昧で、ここに来た理由を知っている者は一人もいなかった。
そして、ワースはエンジニア、クエンティンは警察官、ハロウェイは医者、レヴンは数学科の学生、レンは囚人と、共通点はないように思えた・・・。
ネタバレ注意
移動しようにもトラップの存在ゆえに動けない、しかし留まっていては食料もなく飢え死にするだけ、途方に暮れていた5人だったが、レンが彼らにトラップを回避する術を見せる。それは、靴に紐を結び付け、投げ入れ、トラップの有無を確認する方法だった。
そんなレンを見たクエンティンは、レンが7つの刑務所を脱獄した「アッティカの鳥」の異名を持つ脱獄犯であることに気づく。
希望を持ち始めた5人は、レンを先頭に部屋を進み始める。
しかしそれもすぐに無駄であったことが分かる。
先に部屋に入ったレンが顔を焼かれて死んでしまったのだ。
それは生体に反応するセンサーだった・・・。
感想
15年ぶりに観ましたが、内容を忘れていたこともあって最高にエキサイティングでした。極端な環境でのデスゲーム作品は、大きく2つの種類に分けることができます。一つには、プレイヤーがゲームメーカー、またはゲームメーカーの作ったトラップにより殺されていくというパターン。もう一つには、プレイヤー同士が殺し合いを繰り広げるというパターン。
本作『キューブ』は、前者の元祖とも言うべき作品ですが、本作の設定の脈絡の無さや理不尽さは、様々な作品に影響を与えていると感じます。
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