残酷で異常 (Cruel & Unusual)

残酷で異常
(2014/04/05)
監督:Merlin Dervisevic
脚本:Merlin Dervisevic
出演:David Richmond-Peck, Bernadette Saquibal, Michelle Harrison
時間:91分
★★★★☆
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カナダ制作された『残酷で異常』は、マーリン・ダービスビック(Merlin Dervisevic)のデビュー作品である、シュールリアリスティック・サスペンス。



あらすじ

妻・メイロンを殺してしまったエドガーは、自分がしてしまったことに嘆き、蘇生を試みるも、ショックからか気を失う。

目覚めるとエドガーは数時間前にタイムスリップしていた。その時エドガーはメイロンと車で自宅に帰るところで、エドガーは混乱したが、持病のせいとして納得し家に戻る。

その車中、そして自宅に戻ってからもエドガーとメイロンはメイロンの連れ子であるゴーガンが起こした問題について話していた。それは、ゴーガンが同級生を殴ったという出来事についてだった。

しかしゴーガンを深く愛するメイロンと、メイロンしか見えていないエドガーの会話は平行線だった。

食事の後、持病の胃潰瘍のせいか、苦しくなったエドガーは自室に戻ろうとドアを開ける。

しかしそこは全く見覚えのない、病院か学校の廊下のような場所だった。エドガーは戻ろうと出てきたドアのノブをひねるが、ドアはいっこうに開かない。

途方に暮れたエドガーは幾つもあるドアの一つの前に座り込んでしまう。エドガーがもたれ掛かると、ドアが開き、そこにはテレビに向かう十数人の男女がモニターに向かい座っていた。

そこでは、モニターから話しかけてくる指導者の下、各々が自身の罪を告白し、話し合うという会合が開かれていた・・・。


ネタバレ注意。

エドガーは再びメイロンを殺害する数時間前にタイムスリップし、またメイロンを殺すという時間の円環の中に取り込まれてしまう。そして殺害してしまうと、場所は再び会合が開かれているその場所にいる。

そんな残酷な時間のループの中で、エドガーはその建物の外へと繋がる潜水艦の出入り口のような扉を見つける。それは天井にあり、開くことは困難だったが、会合の仲間と協力し、建物から脱出することに成功する。

しかしそこを出たエドガーは、メイロンを殺害した数時間前のゴーガンに意識がシンクロしていることに気づく。そこでエドガーはゴーガンが友人を殴った理由を知る。

そしてエドガーはメイロンにもシンクロする。それによってエドガーは身の回りの者の様々な感情、真実を知り、その心に初めて触れるのだった・・・。


感想

奇妙な奇妙な物語。正直、終盤になるまで何が起こっているのかわからなかった。しかし、物語が進むにつれ、大きく話は展開する。

中盤は、人間の残酷な一面が明らかになる。しかし終盤には、残酷に見えた人々の必死で誠実な思いが明らかになる。

それは愛を表現することの困難さと、真実を探し求めることの大切さを教えてくれる。
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